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タイ国から会員の近況報告

2015年4月2日(木)

タイ国、 ノーンヤサイ村からこんにちは!   

十主の平和

春の訪れをさまざまな所で感じてらっしゃる事でしょうね。寒い冬から少しずつ自然が移ろい、木々や花々が小さな芽をつけるのを見るにつけ、寒さを耐えてきた者のみに与えられた喜びを味わってらっしゃるに違いありません。

本部の斜め向かいの南山幼稚園のさくらはもう満開かしら?

 

 タイにも「暑季」が訪れてきました。私は日本人の感覚で、セミの鳴き声や花、果物の出周りなどからその移ろいを感じていますが、それを分かちあう人がいません。ことばの問題だけではなく、そういうことを話題にはしていないように感じるのです。

オットの家族だってだれもそんなことについて話したりしません。もう、自然一杯の中で呼吸のように感じているのでいちいち言う必要もないという感じです。こんな溢れる自然の中で、挨拶といえば「ごはん食べた?」という何とも現実的なことばなので、日本人の私からすればもったいないかぎりです。                大学のキャンパスに「タイざくら」が咲いています。でも、人々はこんな桜が咲いていても「お花見」なんかしません。何しろ暑いですからねエ。

毎年この花が咲くころには帰国が近づいていて胸をわくわくさせていたものですが、今年はまだ2カ月も先・・・・・

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「タイざくら」とよばれるタイのさくら、     花を拡大したもの・・・・・・どう?色も形も

大学のキャンパスにて(3月はじめ撮影)    「さくら」そっくりでしょ? しかし、もっと

 近くで見ると花のつき方、おしべめしべの付き方等全然違います

  私は時々友だちと食事をしに町まで行きますが、普段は学校の食堂で買って帰って宿舎で食べます。宿舎には台所がないので自分で作る事が出来ません。 しかも、食堂には辛い物もたくさんあり、私の食べられるものは数品に限られ毎日似通った物が日替わりで口に入るというわけで、しまいには食べる事自体が億劫になってしまう事があります。しかし、食べないとバッテリーがもたない、食べれば食べたで美味しくいただくことが出来、確かに私の身体を健康に丈夫に維持してくれるので感謝しないといけないんだけど・・・・・・そんな事情なモンで、日本へ帰ったらあれも作ろうこれも作ろう・・・・・・・と、夢が膨らむんです。

 タイに13年も住んでいるとタイ料理に慣れてきます。私の住んでいるルーイには日本料理屋さんなどなく、しかし幸いな事にどうしても日本料理が食べたいということもないのでタイ人が食べる物は大体なんでもいただく事が出来ます。でも帰国を控えたこの時期は無性に日本料理が恋しくなります。なにしろ日本にいると自分で自分の好きなものが作れるのですからね

先日など本を読んでいて、監獄での食事の説明で“麦飯に沢庵、それにうすい汁・・・等々”と書かれている個所を読んでいて思わずゴクリと喉がなりました。監獄のご飯さえおいしそうと思うなんて・・・・・よ~し! 日本へ帰ったら「こしひかり」に「おつけもの」「みそ汁」をいっぱい作って思いっきり食べてやるゾー! と、固く決心するのです。

 こう書いている今も、活字を見ているだけでゴクリと鳴りそうです。

 

 先日、お父さんが入院しました。オットはきょうだいが5人(私を入れて6にん)で、みんな近くに住んでいるので交替に助け合って看病しました。私も二晩泊りました。病院の食事時間は特に夕食は日本と同様夕方4時半ごろで本当に早いのです。アルミの容器に入って届けられます。おかゆ、煮もの、汁もの、デザートで、お父さんはやおら食べ始めました。「おー、辛い!」と、顔をしかめましたので(お父さんは辛いものは食べられません)私が味見しましたら、本当に辛いのです。私には食べられる辛さでしたので私が頂きました。日本人である私は、トウガラシが入っていなければどんなにおいしいだろうと思いましたが、タイ人は、トウガラシの入っていない料理なんて料理じゃない!と、言いたいところでしょう。それにしても、病院食までタイ料理なんですね。

 私はタイ料理はおいしく頂きますが、“思い出しただけでもゴクリと喉が鳴る”と言うところまではいっていません。その国民国民で、小さい時から慣れ親しみ身体を作ってきた食べ物というのは、それこそその国民の身にこびりついているのでしょうね。

 

 食べ物、着るもの、住む家、物の見方、考え方・・・・・・等々、長い間先人が考えだし引き継いできたものは、それこそその国の慣習文化として貴重なものなのでしょうね。私はその中にあって、たくさんの摩擦を覚えながらも貴重な体験をしているのだなあと思っています。

 

 

祈りのうちに 

                       松井 恒子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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