聖マリア在俗会
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私たちの“今”

私のある日

2023年3月1日(水)

コロナ禍のいつもとは違う毎日でありながら、「障害者の集う場」でボランチアに参加したりしているが、それ以外はなんでもない一日を過ごしている。
ある秋晴れの気持ちの良い日だった。
私は2人の青年と散歩していた。一人はなんでも投げたり、走り回ることが大好き。もう一人は静かだがずっと歩き続けることが好き。私も歩くのが大好き。3人は言葉にならない声を発しながら、拾った棒の杖と、風船とぼろ布で作った大きめのボールを持って楽しく歩いていた。
その時、突然ボールが宙に舞い、金網のフェンスに囲まれた池に通じる水路の側溝に落ち池の入り口で止まった。そこは立ち入り禁止で拾い上げることができず、暗くなってきたので、一旦引き上げた。だが、そのボールが池の流れをふさいだら、別の災害を招くのではないかと思いだし、その夜は気になって眠れなかった。
翌朝早朝、行ってみるとボールはまだそこにあった。何とかして取り除かねばと思い、あたりを見回したが自分ではどうすることもできない。ふと思い浮かんだことだったが、ここは通学路でもあるので学校に駆け込んでみた。100m先の中学校のべルを押した。ことの次第を話すと快く現場にかけつけてくださった。職員室でこの話を聞かれた先生が釣り竿を貸してくださり、それで難なくボールを戻すことができた。そして「これでゆっくり休んでください。」と言葉をかけてくださった。私は安心とともに、心が癒され温かい思いでいっぱいになった。こんな地域社会に住んでいることの喜びも感じた日だった。      中根 祥江

この池には毎年、美しい水鳥がやってきて町の人々に安らぎを与えている。

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